エピソード令和:新天皇陛下、佐賀県6回訪問 優しいお人柄に県民親しみ

 5月1日に即位された新天皇陛下は、これまで佐賀県を6回訪問されている。行事や視察で新陛下と対面した人たちは優しい人柄に触れ、親しみを感じている。嬉野市で開かれた全国育樹祭では、かつて昭和天皇が植樹されたヒノキを新陛下と新皇后雅子さまが枝打ちされ、令和の時代にしっかり根を張っている。

 嬉野町(現・嬉野市)で2002(平成14)年10月に開催された全国育樹祭には新両陛下が出席された。式典中に雨が降り、当時町長だった谷口太一郎さん(72)は新皇后さまから「参加した緑の少年団の子どもたちは雨にぬれて大変だったようです。みなさんも大変でしたね」と気遣いの言葉をかけられた。

 新陛下からは会食で「(県内の)天山と経ケ岳はどちらが高いですか」と尋ねられたという。「さわやかで優しさがあった。会話の時は常に視線を外さず、相手の話をしっかり聞いていただける」と谷口さん。「令和の時代では平和を国際社会にも発信してほしい」と期待を寄せる。

 全国育樹祭の際は、佐賀市の県総合体育館で佐賀女子高新体操部の演技などを視察された。当時、監督だった光岡三佐子さん(80)=佐賀市=は新皇后さまのアクティブではつらつとした姿や声が印象に残り、「チームが追求するノーミスの演技について知っていらっしゃったのか、『みんなミスできないから大変ですね』と選手たちに声をかけてくださった」と回想する。

 2007(平成19)年7月、全国高校総体(佐賀総体)の佐賀市での開会式に出席後、式典の運営に携わった高校生と交流された。当時、佐賀工業高3年だった井上涼太さん(29)が案内役を務め、「不安だったけれど、皇太子さま(新陛下)をお見かけすると自然と緊張がほぐれた。『とても暑いので熱中症に注意してください』と言葉をかけられ、優しさがあふれ出ていた」と振り返る。

 「全国みどりの愛護のつどい」での2004(平成16)年4月の来県時は、唐津市の佐賀整肢学園からつ医療福祉センターを視察された。案内したセンター長の原寛道さん(69)は「メリハリある説明を心掛け、要した15分間はあっという間だった」と述懐する。

 新陛下は子どもたちと触れ合い、「穏やかな口調でゆっくりと、分かりやすい言葉で話をされていたのが印象深かった」と原さん。貴賓室に置かれていた書籍「佐賀の窯元めぐり」に興味を持たれたという。

 初めて来県されたのは、親王時代で学習院大学の3回生だった1980(昭和55)年11月。文学部史学科のゼミ旅行で日本中世史を研究テーマに神社など7カ所を巡り、神埼市神埼町の櫛田宮では来宮を記念した石碑が建立されている。執行武典名誉宮司(90)は「古文書に大変興味を持たれていたのが印象に残っている。即位され、お越しになったことを改めてありがたく思う」と振り返った。

                            -令和元年5月1日佐賀新聞

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